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zoom RSS 半藤一利著「昭和史」

<<   作成日時 : 2010/03/12 18:57   >>

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半藤一利著「昭和史」を読みました。
全2巻で1巻が1926-45、2巻が1945-89です。2巻の戦後編は沖縄返還まで。その後は端折って総括しています。
氏が言うように資料が開示されていない直近の部分は資料と共に評価が変わるかも知れないというのがその理由です。
それぞれの時期のトピックスとなる事件を中心に昭和史の流れを分かりやすく纏め上げているのは氏の大きな力量だと思います。
特に戦後編は通史の読み物って多くないので、非常に為になりました。
まぁ、政治に限っていえば戸川猪佐武氏の「小説吉田学校」という名著がありますので、それを読めば大体の流れは分かるのですが。
司馬遼太郎が、晩年ノモンハンを題材に陸軍参謀本部を通して昭和史を書こうとして書くことを断念したエピソードが面白いです。
10年の取材でいつでも書ける状態だったのに書かなかった理由を、氏は語っています。要約すると
「司馬さんは唯一存命だった連隊長を主役にする予定だったに違いない。なぜなら司馬さんの描く主人公は誰もが惹かれる要素がいるからで、他に適任者がいない。
しかし、その人物から『あなたを信用してインタビューに答えた。瀬島龍三(不毛地帯のモデルになったと言われる人物)氏との対談を雑誌で見た。参謀本部の作戦参謀が敗戦の張本人たちだ。インタビューの話はなかった事にしてくれ』と言われ、書くに書けなくなったのではないか」と。
なるほどなぁと思いました。
で、司馬氏がなくなられた後、「ノモンハンの夏」を氏が書くわけです。
昭和史の流れの中でそれぞれの事件でメディアが与えた影響を問いています。これは今現在の状況を見ても憂うる事態だと思わずには言われませんね。
全体的に講義の形式で分かりやすくまとめて好感が持てますが、最後の一言が余計だと思いました。
いわく「それにしても何とアホな戦争をしたものか」
いや、そういい切れるものじゃないでしょう。今の日本を否定する事にもなりますし(まぁ必ずしも今の日本がいいとは限りませんが)
私はこの昭和史を通じ、時代の空気という抗しきれないモノを感じずにはおれません。
泥沼の日中戦争も辞めるターニングポイントがいくつかあった。対米戦も決定的な要素(三国軍事同盟や南部仏印進駐)を回避する可能性もあった。
太平洋戦争も個々の作戦の決断や、戦略的な指導ミスが随所にあり、こうしていればという所が多々あった。
しかし、軍人、政治家、マスコミ、国民全てが、今現在の事象にとらわれ過ぎて先の事を後回しにした結果、そうなったとしか見えません。
近衛首相の「蒋介石を相手とせず」、ドイツの躍進に「バスに乗り遅れるな」の大合唱。
太平洋戦争の南方資源を確保し、長期不敗の体制を敷くはずがあまりに勝ちすぎて、第二段作戦でその外枠で消耗戦に突入。
こうしていれば・・・という選択の時にそれを選べない空気があったとしか思えないのです。
アホな戦争というよりアホな空気ですよ。まぁ、氏もそう言いたかったのでしょう。
しかし、その流れの中で日本は立ち直って復興しました。
当時の日本人は一生懸命にそれを信じ紆余曲折を得て現在に至っている訳です。
昭和史を通じて分かる事、それはこれからの未来は今の空気に流される事なく、先を見据えて判断しなければいけない事を教えているのだと思います。

昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー)
平凡社
半藤 一利

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